オスローの正体はロウの生まれ変わり

ブラックハウンド オスローの正体は
3000年前に亡くなった人間 ロウの生まれ変わりだった


七つの大罪 ロウ

時を、さかのぼること3000年前…。

当時のブリタニアでは、

魔神族と女神族・妖精族・巨人族の三種連合の『光の聖痕(スティグマ)』

によって戦いが繰り広げられていました。

そんな中、初代妖精王・グロキシニアも『光の聖痕(スティグマ)』の一翼を担う存在として、妖精王の森を拠点に活躍。

(キングとディアンヌは、『十戒』グロキシニアとドロールに提案された試練の為に、その真っ只中に送り込まれます)

ある日、グロキシニアは、人間の集落が魔神族に襲われているとの情報から、メリオダス、巨人の王・ドロール、女神族のエリザベスと一緒に、化石の谷へと向かいます。

そこで魔神族を撃退し、集落の人間たちを救出。

その人間たちの中にいたのが、ロウ(後のオスロ―)でした。

ロウは、人間たちを代表して魔神族から救ってもらった礼を述べると、自分たちも『光の聖痕(スティグマ)』に加えて欲しいと頼みます。

メリオダスは、それを快諾。

共に『光の聖痕(スティグマ)』の拠点である妖精王の森へと戻ります。

そこでは、女神族『四大天使』の一人であるリュドシエルが、魔神族の殲滅を掲げ、魔神族を一掃する計画を実行しようとしていました。

その罠とは、非戦闘員を含む大勢の魔神族を生餌に、更なる多数の魔神族を呼び寄せ、一網打尽にする計画…。

そして、リュドシエルの罠とは知らず、数人の『十戒』メンバーを先頭に、魔神族の軍勢が妖精王の森を目指してやってきます。

メリオダスは、戦いが始まる前にかつての同胞である魔神族に話をつけに行こうとし、それにグロキシニアとドロールも同行することになります。

ただ、グロキシニアは、森に残していく妹・ゲラードが心配なため、躊躇。

すると、

「森の留守は俺ら人間に任せておけ」

「助けてもらった恩は返さなねぇとな」

と、ロウが警護を申し出てくれたのです。

グロキシニアはロウを信頼し

ゲラードと森を任せたことで安心して、メリオダスとドロールと共に出発するのでした。

しかし、ロウは、過去に『光の聖痕(スティグマ)』によって、自分の村を全滅させられたことを怨み、

復讐する機会

を狙っていたのです!

その為、魔神族と結託し、襲われるフリをして、『光の聖痕(スティグマ)』の拠点に潜り込む算段をつけていた、いわばスパイのようなもの…。

ロウたち人間は、不意を突き、次々と妖精族と巨人族に襲い掛かり、打ち倒し…とうとう、ゲラードも他の人間によって

大怪我

を負わされてしまいます。

ですが、そんな大怪我をしたゲラードを助けたのは、ロウでした。

ロウは、村を滅ぼされた際に命を落とした

幼馴染の少女によく似たゲラードを見捨てることが出来ず

ゲラードを助けるために、逆に仲間の命を奪います。

また、ロウは幼馴染の少女の復讐の為とはいえ、大勢の妖精族や巨人族の命を奪いましたが、そのことを後悔していました…。

ロウの心を読んだゲラードは、兄のグロキシニアに事情を話し、ロウを助けると言いますが、ロウは首を横に振るのでした。

そこへ、妖精王の森に異変を感じたグロキシニアが戻ってきます!

血まみれのゲラードを抱きかかえているロウを見た瞬間、ゲラードの命がないと思ったグロキシニアは、怒りと憎しみで我を忘れ、ロウに目がけて霊槍を放ち、命を奪います。

それだけでは憎しみは収まらず、その怒りを『光の聖痕(スティグマ)』の仲間に向け…気がつくと、いつのまにかグロキシニアは

『十戒』

として戦っていたのでした。

グロキシニアは、そのまま姿を消したことから、魔神族との戦いで命を落としたと思われていたのです。

一命を取りとめたゲラードですら…。

そして、3000年が過ぎ、再び現在へ。

無事に再会し、喜びを分かち合うグロキシニアとゲラード…。

しかし、オスロ―だけは、

グロキシニアに敵意を持ち、

強大化して威嚇します!

それを見たゲラードは、慌ててオスローをなだめますが、グロキシニアがオスロ―に声をかけると、オスロ―は元の大きさに戻り…。

そんなオスロ―を撫でながら、ゲラードがオスロ―の事を語ります。

「オスロ―は、兄上(グロキシニア)が姿を消した後に生まれて、兄上の代わりに私を守ってきてくれました。」

「今では、お側につけない私に変わって、現妖精王(キング=ハーレクイン)様をお守りしているのです。」

それを聞いたグロキシニアは、ロウを攻撃した時に聞いた誰かの声を思い出します。

次に生まれ変わったら、必ずお前を守る…

お前の大切な物を俺が代わりに守る

たとえ、どんな姿になろうとな。

グロキシニアは、それがロウの心の声だったと思い当たり、呟きます。

「…律儀な奴っスね」

こうして、大切に想っていた幼馴染の少女とゲラード重ね合わせて、ゲラードを救えなかったことを悔やんだロウは、誓った通り、

オスロ―へと生まれ変わって、

ゲラードを守り、

ゲラードが大切としている現妖精王のキングを守り続けていた

のでした。